Acerca de
Summary
Be Music in the Dark 総評
はい、という事で皆様イベント参加お疲れ様でした。
Be Music in the Dark主催のPhleguratoneでございます。
当イベントの優勝作品は36インプレを集め、往年のDrumfunkを現代にブラッシュアップしたDolphin(DJ DLPHN)氏の『Drumkit Retrospect』となりました。改めて優勝おめでとうございます!(ボーナスPを含まないインプレのみの点数でも第1位となりました)
また、「クラい!」獲得数・獲得率1位は、幻惑的でダークなムードの中で独特のリズムを刻ませるhugepulse氏の『冥く、玲瓏たる』、「マブい!」獲得数・獲得率1位は、タイトルに反してとにかくキラキラとしたシンセを主体とした曲調も特徴的なArkaan Muyassar(ArkaanDM)氏の『Lightless』となりました!
尚、全作品の主催からの詳細コメントは後日コチラにリンクを貼って公開とさせて頂きます。
企画発案から色々ありまして(自身の腰の重さとか前後のイベントのスケジュール変更等々で)開催が予定よりも結構伸びることにはなりましたが、こうして無事開催・さほどトラブルも無く閉幕出来たことにまず安堵と満足、そして参加者の皆様への感謝を感じております。
・企画のキッカケ
このイベントの主旨の1つである「BGA禁止」というコンセプトは何も私の発案ではなく、源流をさかのぼると約10年前の2011年にとあるBGA作家の方がこのアイディアを呟かれていました。
そして2013年に私がこのイベントの草案(とタイトルである「Be Music in the Dark」)を発表した後、とあるBMS作家の方が「BGA禁止イベントやります!(大意)」という事をTwitterで呟かれており、「じゃあそちらを優先しましょう!」と思い、一旦は引っ込めたのですが、待てど暮らせどイベントの続報が来ず、そのまま7年ほど過ぎ去りました……
(↑の流れについてはこちらのまとめに諸々まとめております)
そして「長尺BMSイベント」の運営が落ち着いたころに次の一手としてnoteに草案を公開、開催することを決断致しました。
私が「BGA禁止」というコンセプトで目的としたのは以下の2点が有ります。
・プレーヤー自身がプレーを通じて作品に対する「想像」「空想」「ヴィジョン」を己の脳内で作ってほしい
BGA(BGI)というものはBMSにおける作品表現・没入感を高めることに対して大事な要素であることは言うまでも有りませんが、特に凄すぎる映像や画像を先に見てしまうと作品(曲)のイメージがそのイメージに固定化され、プレーヤー自身の作品から感じる「想像」「空想」「ヴィジョン」を良かれ悪かれ結果的に狭めてしまう事になるのでは? と前々思っており、BGAを「あ え て」禁止してみることでプレーヤー各自の「想像」「空想」「ヴィジョン」のヴァリエーションがより増えるのではないか? (そしてインプレで各自のそれらを見てみたいという欲もあり)と感じたからです。
個人的には、かつてAutechre「Gantz Graf」「plyPhon」のMVを評するコメントの中に「映像が凄すぎて曲のイメージがそれに固定されるからまず曲から聴いた方が良い(大意)」といったものがあり、それに関して感銘を受けたこと、その延長としてBOFXVにて発表された「えいえんの ゆめを ください」の初プレー時に、Micelle氏制作のBGAと流れている楽曲から感じる切ない印象とのギャップに衝撃を受け、プレー後に「最初に音源を聴いておけば自分のイメージと【自分の想像とは違った所を突いてくる○○さんスゲー!!! 】って感覚と併せて二度美味しく頂けたのに!!」と強く感じたことも一端だったりします。
長々と書きましたが、それが後日開催のBGAイベント「Lux in tenebris」の発案にも繋がっていきます。
・BGAが流れず、譜面に目を向けることによって生じる新たなプレー体験の発掘
もう一点はこちら。とはいえ、ギミック譜面や所謂地雷アートによって実質的なBGAの代替が行われても不都合だと思ったので、ルールに「譜面レーンにおいて何らかの視覚的効果を与える配置は非推奨とします」と書き添えておきました。ついでに会場ページにおいても同様な旨を書いておきました。(この禁則はちょっと厳しめかなとは思ったのですが)
そして、もう一つのコンセプトである「ダーク」
これは「BGA禁止→画面が暗い→ダーク」といった連想と、BMS作家であったsept氏が2006年に主催した「dark music BMS Event」の続編的な要素も絡めてやってみたいと思ったこと、そして私が敬愛するミュージシャン・ユニットであるAutechreの「真っ暗な空間の中でLiveを行う」事に倣ったもの(暗闇でBMSをプレー=Liveする)でもあったりします(実際には他にも暗闇の中でLiveする試みはあったりします)
加えて、普段は比較的注目されながちな暗めの作品を中心としたイベントがあっても良いだろうという意図も有りました。
・登録作品について
得点指標のコンセプト的に「タイトル通りのダークな作品だけでは無く、「マブい!」ボーナスP目当てで明るさで攻めてくる作品も来て欲しい」とも思っていましたが、明るめの作品が思ったよりも登録されましてイベントの面白みが更に加わったと感じています。
タイトル通りの暗めの印象を与える作品においても、幅広いヴァリエーションと印象を与える作品群が登録され「いや~本当にこのイベントをやってて良かった!!」と会期中に感じておりました。
草案及びHPの惹句である「明るく色彩溢れる世界だけではなく、たまには真っ暗な空間の中でじぃーーーーーーーっと、画面だけを見つめてプレイし音と譜面と向き合う……のもいいんじゃないでしょうか」は締まりの良いフレーズや古来の暗闇に対する惹句の引用とかがどうしても思いつかず、ザックリとしたゆるいものになってしまったのですが、有り難いことにそれを踏まえて制作された作品が幾つかあり「まあ悪くは無かったのかな」と落ち着きました(次のイベントでは上手いことやりたいですね)
・得点システム
何と言っても当イベントの特筆すべきところは通常のイベントとは逆の、点数が少ないほど評価が高くなる「-100~0~100pts.」という得点システムでしょう。
これは画像処理における「明度(Brightness)」の数値設定(-100~0~100)をそのまま拝借し、タイトル通りのDarkに近い程高得点にするという案にしたためです。
そして、「明度の設定(各作品の得点の平均値で決定)を作品ページ(及びリスト欄)ごとに適用し、色調を変化させることが出来ないか?」と思いつき、ダメ元で会場製作者のBluvel氏に相談したところ、有り難いことに面白がって承諾して頂けて無事アイディアを実現することが出来ました。ソートすると綺麗にグラデーションがかかることを含め、イベントの面白さが上がる一要素になったのではないかと思っております。
尚、この得点システムを草案に書いたところ「(正負共に得点付けが出来るため)インプレを貰わない方が高評価になる可能性がある」という意見を拝見し、通常の点数付けとは別の評価軸で評価を付けるシステムが必要だと思ったため、チェック制のボーナス指標である「クラい!」を導入することを考え付きました。
更に「別にBGAが付いてなくても暗い所でキラキラした曲を聴いてテンションが上がっても何の問題も無いよな」と思ったので「クラい!」とは真逆の「マブい!」も導入することにいたしました。まあ、要素としては上記の思いつきと逆の場合に付けてねって感じにはなりましたが……
他にも「○○い!」な指標は思いついていたのですが、「あまり指標が増えすぎると付けるのに困る」という意見を頂いたのでまあそれは後々の機会に登場させようかと考えております。
・ルールについて
長尺BMSイベントから「登録期間終了後アーカイブ改変は詳細を書かない限り禁止」とさせて頂きました。
これは以前から「FIVE VS SEVEN」総評におけるアーカイブ改変についての内容に強く同感していたこと、及び近年の作品数の多いイベントにおける修正の多さによるプレーヤー側の修正適用作業負担の増大(ホント大変なんですよこの作業……パッケージを制作してる方には皆感謝しようね!!)に対して憂慮しているという2点を踏まえたものです。
このルールを決めたおかげか「長尺BMSイベント」「BGA禁止イベント」は(規模的には大型イベントではないという点を除けば)かなり修正が少なくなったと思います。
個人的にはこのルールは今後もいずれのイベントでずっと採用されて欲しいと思っております。BRSでこの辺はキチンと制定されているのですが。
さらに今回はルールの英訳をHPに掲載する試みも行いました。これが功を奏したのか分かりませんが、ルールの誤解などは殆ど起こりませんでした。
拙いながらも英語圏の制作者やプレーヤーにもキチンとルールの意図が伝わっていたのであれば幸いです。
・失格について
今回、登録番号26番「Escape from Dark!」が登録期間終了までに「ダウンロードアドレス」欄にDL可能なアドレスが貼られていなかっため、「先行登録に準ずる不適切行為」と見なし失格とさせて頂きました。
確かに、アドレスを削ればキチンとアクセスは出来たのですが、「登録から評価期間終了まではDL出来る環境にしておくのがイベント参加における最低条件」「再三の要請にもかかわらずDL修正が成されなかった」という理由により、失格という処置を取ることに致しました。ただ、要請が作品ページコメントと当該作者へのTwitterへのリプライだけだったため、今後は会場コメントにも書き添えてより分かりやすくした方が良いかとも思っております。
今後のイベントでも参加者各自が「登録後に正常にDL出来ることを確認する」事が徹底される事を強く望みます。
・今後の展望
前言通りBGAイベント「Lux in tenebris」を2022年2月から開催いたしますので、そちらをよろしくお願いします!!
現時点では「BMS禁止イベント」の第2回を開催する予定はありませんが、是非「BGA禁止イベントの第2回目をやりたい!!」といった方が居ましたら止めはしません。お好きにどうぞ。
・謝辞
今回も忙しい中イベント会場整備やイベント案の細かい所に対して意見をして頂けたBluvel氏、
そして、パッケージ製作を快諾して頂けたNekokan_Server氏、
には多大なる感謝を致します。
更に直接は関係ないのですが、ルール案制定に関して意見を頂いた以下の四氏にも感謝いたします。
・HAROLD氏(事前のBGA定義周りについて)
・hiro氏(事前のBGA定義周りについて)
・Velpion氏(得点システム制定周りについて)
・NASA氏(ボーナスP指標設定にあたって「ピコい!」を参考にしました。あと、この総評周りの構成諸々だったりとか)
それでは、これにて「Be Music in the Dark ~BGA禁止BMSイベント~」は終了となります!
参加者の皆様、改めてお疲れ様でした!!!